
阿佐ヶ谷は、中央線の中でも特に静かで落ち着いた住宅街であることを感じさせる街並みだ。阿佐ヶ谷界隈には、大正から昭和にかけて三好達治や太宰治・火野葦平・井伏鱒二などの有名な文士・作家が集って酒を飲み、文学について語りあっていたという。いわゆる「阿佐ヶ谷文士村」だ。

現在の阿佐ヶ谷は、夏には阿佐ヶ谷パールセンターを会場とする「阿佐谷七夕祭り」が開催され、秋には同じくパールセンターを中心に街中がジャズ一色のストリートに早変わりする「阿佐ヶ谷ジャズストリート」が。
『阿佐ヶ谷の街をジャズで明るく楽しいまちに』を合言葉に1995年に始まった「阿佐ヶ谷ジャズストリート」。JR阿佐ヶ谷駅前広場を中心に杉並区役所や小中学校の体育館はもちろん、神社の境内から、教会、会社のロビー、喫茶店、レストランなど阿佐ヶ谷の街中でジャズ演奏が2日間に渡って繰り広げられるのだ。
メイン会場の一つ「阿佐ヶ谷神明宮」ではかの山下洋輔氏が毎年のように熱演。荘厳な神社の中でスポットライトが煌々と焚かれた能舞台からの演奏は、なにか阿佐ヶ谷らしさを象徴している。ちなみに氏の実家は阿佐ヶ谷らしい。

そんなエキサイティングな阿佐ヶ谷の街の顔としてもう一つ忘れてならないのは、10年前にオープンした地元の映画館「阿佐ヶ谷ラピュタ」だ。
「人と環境に優しい空間」をコンセプトに、土作りの丸い形状の外観が特徴だ。そもそもはアニメーション専門の映画館として作られた阿佐ヶ谷ラピュタは、オーナーの愛着が一杯で「どうしても映画館をやりたい」と夢や理想を込めて作られたものだ。
現在は、日本映画をベースに1週間替わりで、連日マニアックな作品が上映されているが、今や老若男女の幅広い層に支持されるようになった感がある。心地よい自然派レストラン「山猫軒」もここを訪れる楽しみのひとつだ。もはや「阿佐ヶ谷ラピュタ」は、近隣の休日にとって、なくてはならない愛すべき居場所といえるだろう。

阿佐ヶ谷ラピュタ
http://www.laputa-jp.com/