北九州ご当地グルメグランプリ
世の中には、高級なご馳走もさることながら、いわゆる“B級グルメ”と言われる食べものを好む人も多い。安価で、スピーディーに出てきて、おいしくてボリュームがあり、肩凝ることなくお腹を満たせるとくれば、若い男性だけでなくても引かれてしまうのは当然というものだ。
北九州市には、このB級グルメのカテゴリーで取り上げられるものがたくさんある。もちろん、関門海峡名物のフグ(当地では「不遇」とイメージされることを嫌い、縁起をかついで「ふく(=福)」と呼ぶ)料理や、稀少価値の高い小倉牛のステーキなど、全国に誇れる高級料理だって多い。小倉南区の合馬地区へ行けば、1名10,000円もするタケノコづくしの懐石料理が人気。市内外から訳知りのグルメたちが春の情緒を味わいに足を運ぶ姿が見られる。
しかし、北九州市の味で特筆すべきもうひとつの味はB級グルメなのだ。日本の近代製鉄の発祥地であり、全国でも有数の工業地帯として賑わっていた北九州市は、そこで働く人々に受け入れられる料理、安価で仕事のあとすぐに食べられるメニューが次々に生み出され、土地の味として根付いていった。
市内でも特に小倉地区で拡がった「焼うどん」。焼うどんが誕生したのは、第二次世界大戦の終わった直後、昭和20(1945)年ごろのこと。いまもJR小倉駅近くの鳥町食堂街に健在の店「だるま堂」の主人がソース焼そばを作ろうとしたが、戦後の物資不足でそばが手に入らず、苦慮の末、うどんの乾麺で類似品を作ったのが始まりといわれている。


ご主人は平成17年に亡くなったが、妻がその味を引き継ぎ、現在に至るまで変わらぬ味を提供している。油ののった豚肉に刻んだキャベツ、シャキシャキとしたモヤシ、それをまとめるほんのり甘酸っぱいソース。もちもちとした麺の食感が「元祖・小倉の焼うどん」の身上だ。
焼いたうどんだけでなく、普通のうどんも北九州が誇るおいしい味だ。口当たりのやさしい、太くてやわらかい麺。いかにも消化が良さそうで、食欲のないときでもツルッと食べられてしまう。
具としては、代表的なものが3つ。1つはゴボウの天ぷらが乗った「ごぼ天うどん」。続く1つは、魚のすり身を丸く平たくして揚げたものが乗った「丸天うどん」。ごぼ天うどんよりもボリュームが控えめで、女性によく好まれているようだ。
画像は、北九州でメジャーなうどんのチェーン店「資さんうどん」のごぼ天うどん。24時間営業なので、気が向いたときにいつでも食べにいけるのが嬉しい。


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